8/25(日) 午後4:35-午後6:00
「東京スカイツリー」建設工事の舞台裏。高さ634mの天空の現場に挑んだ技術者と職人たちのドラマを追う。施工の責任を負った技術者が胸に秘めていた、亡き上司への誓い。鉄骨加工を請け負った職人が交わした妻との約束。そして完成間際、東日本大震災が発生した中、トビを率いるリーダーが下した決断。のべ58万人が総力を結集した日本の建設史上空前の難工事。その知られざる物語。
目次
テーマ
2012年に完成した東京スカイツリーは、世界一の高さを誇る自立式電波塔として、多くの技術的課題と人間ドラマを経て建設された。延べ58万人の努力により、634メートルの高さを達成し、東京の新たなシンボルとなった。
要点
- スカイツリーは東京タワーの2倍の高さを目指し、狭い敷地での建設という課題があった。
- 日本の伝統建築である五重塔にヒントを得た「心柱」が導入された。
- 3万7千パーツの鉄骨を立体パズルのように組み上げる独自の工法が考案された。
- チーム間の交流と情報共有により、プロジェクト全体の効率と品質が向上した。
- 2011年3月11日の大地震で揺れたスカイツリーを、作業員たちの勇気ある行動により無事に固定した。
- 完成後、建設に携わった人々は達成感と誇りを感じた。
- スカイツリーは年間400万人が訪れる東京の新たなシンボルとなった。
ハイライト
"先のことを考えるんですよ。それを持っていると絶対できない。やっぱり巧妙心みたいなのが出てくる。絶対に思い切ったことができない。思い切ったことにブレーキがかかる。"-- 田辺清 《インタビュー》
"この仕事をやり遂げれば、自分の人生に誇れるものを一つ持てる。"-- 森川哲司
"この工事は必ず成し遂げます。"-- 田辺
"安定するところまでは、誰が何でもやらなきゃいけないっていう意思ですよね。"-- 半田
"あの現場で本当に成長できたなということがまず自分の中ではあって、本当に。あの時の経験があったからこそ今の自分があると言っても過言ではないと思うぐらいなので、それぐらい本当に自分は成長できたなとは思っています。"-- 繁田
"やっぱり人に自慢したくなるっていうか、誇りに思ってますけどね。"-- 鳥井茂さんの妻 彩子さん
章とトピック
- 東京スカイツリーの建設プロジェクト2012年に完成した東京スカイツリーは、世界一の高さ(634メートル)を誇る自立式電波塔である。その建設には延べ58万人が関わり、36,000トンの鉄骨を組み上げる大規模プロジェクトとなった。設計から建設まで、多くの技術的課題と人間ドラマがあった。
- スカイツリーは東京タワーの2倍の高さを目指し、狭い敷地での建設という課題があった。
- 構造設計者の小西敦夫は、日本の伝統建築である五重塔にヒントを得た「心柱」を導入した。
- 建設方法の考案を任された田辺清は、3万7千パーツの鉄骨を立体パズルのように組み上げる独自の工法を考案した。
- 鉄骨の加工には全国の工場が関わり、高い精度が要求された。
- スカイツリー建設プロジェクトの課題と克服東京スカイツリーの建設プロジェクトにおいて、半田智成率いるチームは当初スピードの遅さに苦戦したが、他チームとの交流を通じて改善を図り、最終的にはプロジェクトの重要な部分を担当するまでに成長した。634メートルという前例のない高さでの作業は、技術的な課題だけでなく、安全面での緊張感も高かった。
- 半田智成のチームは当初、他のチームに比べてスピードが遅く、批判を受けていた
- 花見をきっかけに他のチームとの交流が始まり、技術や情報の共有が進んだ
- 森川哲司率いる西中のチームは特に優秀で、半田たちの目標となった
- 高所作業の危険性や緊張感が常にあり、特に森川は寝言で叫ぶほどストレスを感じていた
- プロジェクトの終盤では、3000トンのゲイン塔のリフトアップという前例のない作業に挑戦した。
- 東京スカイツリー建設の最終段階と完成2011年3月11日の大地震で東京スカイツリーが大きく揺れたが、半田たちの勇気ある行動により無事に固定された。その後、634メートルの高さに達成し、完成を迎えた。延べ58万人が力を合わせ、難工事を成し遂げた。
- 2011年3月11日、高さ619メートルに達していたスカイツリーが大地震で横に5メートル揺れた。
- 半田たちは危険を顧みず、再びタワーのてっぺんに登り、ゲイン塔を固定した。
- 地震から一週間後、スカイツリーは634メートルの高さに達成した。
- 完成後、建設に携わった人々は達成感と誇りを感じた。
- スカイツリー建設に携わった人々の思い出と誇りスカイツリー建設に携わった人々や家族は、完成後も様々な思いを抱いている。プレス職人の村野和英さんは妻と見に行く約束を果たせなかったが、ポスターを通じて二人で眺めている。総責任者の鳥井茂さんの妻は、夫の熱意を回想し、スカイツリーを誇りに思っている。
- プレス職人の村野和英さんは、妻の死後もスカイツリーのポスターを通じて思いを寄せている。
- 総責任者の鳥井茂さんは、病気の中でも現場に通い続けた。
- 鳥井さんの妻は、スカイツリーの完成を見守り、夫の仕事を誇りに思っている。
- スカイツリーは年間400万人が訪れる東京の新たなシンボルとなった。
まとめ
- 大規模プロジェクトでは、技術的な課題だけでなく、人々の思いや決意が重要な役割を果たす。
- 伝統的な知恵と最新の技術を組み合わせることで、革新的な解決策が生まれる可能性がある。
- チーム間の交流と情報共有が、プロジェクト全体の効率と品質向上につながる
- 高度な技術的挑戦には、経験豊富な職人の知恵と若手の意欲的な学習姿勢の両方が重要である
- 困難な状況でも、チームワークと使命感を持って行動することが重要である。
- 大規模プロジェクトは個人の成長と誇りにつながる貴重な機会となる。
- 大規模プロジェクトは関わった人々とその家族の人生にも深い影響を与える。
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