9/29(日) 午後9:00-午後9:49
石破茂新総裁を選出した自民党。「政治とカネ」で傷ついた信頼を取り戻すことはできるのか。総裁選挙では各候補が党の立て直しを訴えたが、推薦人の中に政治資金問題の当事者がいる陣営も。地方党員の本音や、旧派閥、重鎮議員の水面下の動きなど、舞台裏に密着。一方、政権交代を掲げる野田佳彦氏を新代表に選出した立憲民主党は、自民党にどう対峙するのか。衆議院の解散総選挙が近いとの見方もある中、各党の戦略は。
目次
テーマ
2024年10月6日、石破茂氏が自民党新総裁に選出され、早期の衆議院解散と総選挙の実施を検討している。政治と金の問題への対応や国民の政治不信の解消が新政権の主要課題となっている。
要点
- 石破茂氏が決戦投票で高市早苗氏を逆転して総裁に選出された
- 新体制では、菅義偉前総理が副総裁、麻生太郎氏が最高顧問に就任予定
- 石破氏は2024年10月27日の衆議院選挙投開票を軸に最終調整に入った
- 地方党員は政治と金の問題解決や地方重視の姿勢を求めている
- 石破氏は地方創生や防災省の創設、アジア版NATO、日米同盟の強化を政策として掲げている
- 野党は政治と金の問題を引き続き追及し、補正予算案の編成や審議を求める方針
- 石破氏と野田氏の政策的立場が近く、建設的な政策論争が期待される
- 政治不信解消のため、政治家の国民目線での政策形成と国民の積極的な政治参加が重要
ハイライト
"自民党が本当に変わったのかっていうのを、今度は国民すごく見てると思うんですね。"-- 《長崎県連の幹部の発言》
"不記載議員については、選挙で公認するかどうかは、新執行部において厳正に判断します。"-- 小泉進次郎 《総裁選での発言》
"新体制ができれば、やっぱりその真を問うということはあるべきなんです。"-- 石破茂
"これは2001年小泉純一郎政権がですね、登場したので匹敵するぐらいな、自民党にとっては非常に大きな変化が生じたと。"-- 中央大学の長北浩二教授
"そうだとしたらですね、再び真実が明らかになってきている旧統一協会問題であるとか、裏金問題も同じですけれども。こういったことの真相究明であるとかですね、まだ積みっこ残しのですね、施策活動費の扱い、政治資金制度改革、こういったこと、党内からは反対が出るかもしれませんけれども、国民目線の改革を進めていく、そして信頼回復を積極的に図っていく。"-- 中央大学の長北浩二教授
"受け皿にならなければいけないと思います。自貿政権の存続を望む声と野党中心の政権を望む声は、これはそんなに離れておりません。"-- 小田氏
"次の衆院選挙では、いわゆる裏金議員のところに野党統一候補を立てる。場合によっては無所属でもいいと思いますけれども、そこから始めないといけない"
"石破さんの考え方自体は、今の日米関係の流れに逆らうものではない。"-- 東京大学大学院、鈴木和人教授
"どこまでうまくそのバランスを打たれるかというところが、対米関係の鍵になるだろうと思います。"
"沖縄の基地負担軽減の方向、これを可能な限り追求していくということが必要ではないかと思います。"-- 中北さん
"経済のロジックということを重視しながらも一方で石場からということをどう打ち出していけるか、つまり現実と理想これをどう両立させていくのか追求していただきたい"
"野党ですから対立すべきことはきちっと対立するけれども、しかし可能なところではコンセンサスを作っていく。こうしたらいいんじゃないかと。"
"国民は石破政権がこの問題にどう取り組むかを冷静に見ていると話す議員がいます。"
"両党を円で描くと、重なり合うところに両党首がいるという異例の展開であるわけで、こうなると、やはり両者が重視している政治改革、これをどうやって進められるのかということをめぐる競合になっていくんじゃないか"
"我々国民も政治の傍観者であるのではなくて、例えば献金するとか、政治家を積極的に応援していくと。主権者としてさまざまな場面で政治に参加していく、こういったことが求められるんじゃないか"
章とトピック
- 自民党総裁選の舞台裏:2024年10月6日の自民党総裁選は、石破茂氏が決戦投票で高市早苗氏を逆転して勝利した。派閥の多くが解散を決めたことで9人が立候補し、これまでとは異なる選挙戦となった。地方の党員票が重要な役割を果たし、高市氏が石破氏を上回って1位となった。
- 石破茂氏が決戦投票で高市早苗氏を逆転して総裁に選出された
- 菅義偉前総理が副総裁、麻生太郎氏が最高顧問に内定
- 小泉進次郎氏を選挙対策委員長に、林芳正氏を官房長官に続投させる意向
- 地方の党員票で高市氏が石破氏を上回り、1位となった
- 地方党員の意向と政治改革への期待:地方の党員たちは政治改革や地方重視の姿勢を求めており、特に政治と金の問題解決や憲法改正に関心が高かった。候補者たちは政治改革の具体案を掲げ、政治資金の透明化や不正の防止を訴えた。
- 地方党員は政治と金の問題解決や地方重視の姿勢を求めている
- 高市氏支持者は憲法改正や国防に期待
- 候補者たちは政治資金の透明化や不正防止の具体案を提示
- 小泉進次郎氏は政治資金収支報告書の不記載議員の公認判断に言及
- 自民党総裁選と新体制:2024年10月6日、自民党の総裁選が行われ、石破茂氏が新総裁に選出された。石破氏は早期の衆議院解散と総選挙の実施を検討しており、10月27日の投開票を軸に最終調整に入った。新体制では、菅義偉前総理が副総裁、麻生太郎副総裁が最高顧問に就任する予定。政治と金の問題への対応や国民の政治不信の解消が課題となっている。
- 石破茂氏が自民党の新総裁に選出された
- 石破氏は早期の衆議院解散と総選挙の実施を検討している
- 新体制では、菅義偉前総理が副総裁、麻生太郎副総裁が最高顧問に就任予定
- 政治と金の問題への対応や国民の政治不信の解消が課題
- 総裁選の歴史的意義:2012年以来の安倍政権下で形成された党内レジームが崩壊し、ポスト安倍の流れが決定的になった。派閥の解消が石破氏の総裁就任を可能にし、2001年の小泉純一郎政権誕生に匹敵する大きな変化が自民党に生じた。
- 安倍政権下で形成された党内レジームが崩壊
- 派閥の解消が石破氏の総裁就任を可能にした
- 2001年の小泉純一郎政権誕生に匹敵する変化
- 新政権の人事と課題:石破新総裁は刷新と安定の両立を図る人事を行った。党内基盤が脆弱な中、国民世論の支持が重要となる。旧統一教会問題や裏金問題の真相究明、政治資金制度改革など、国民目線の改革を進めることが信頼回復に必要とされる。
- 刷新と安定を両立させる人事が行われた
- 石破氏の党内基盤は脆弱であり、国民世論の支持が重要
- 旧統一教会問題や裏金問題の真相究明が課題
- 政治資金制度改革など国民目線の改革が必要
- 小田氏の選挙戦略と新しい石破自民党への対応:小田氏は、政治と金の問題について厳しく対処する方針を示し、野党は自民党政権に対する不満の受け皿になるべきだと主張しています。
- 政治と金の問題、特に裏金や脱税事件について、新しい事実が出てこない限り再調査しない立場を批判
- 野党は自民党に対する不満の受け皿になる必要性を強調
- 国家国民のためになることについては協力し、ならないことは徹底的に戦う姿勢を表明
- 野党の連携と新政権への対応戦略:野党は政治と金の問題を引き続き追及し、補正予算案の編成や審議を求める方針です。また、衆議院解散総選挙への警戒感を示しています。
- 野党は西場政権に対し、政治と金の問題を厳しく追及する方針
- 大雨被害を受けた地方の復旧支援のため、補正予算案の編成と審議を要求
- 新政権発足直後の解散には大義がないと主張
- 野党連携の重要性と政権交代に向けた現実的な政策の必要性を強調
- 石破新総裁の政策と専門家の見解:石破新総裁は地方創生や防災省の創設、アジア版NATO、日米同盟の強化などを政策として掲げており、専門家はこれらの政策の重要性と課題を指摘しています。
- 地方創生と防災を重要課題として位置づけ
- アジア地域に新たな多国間安全保障体制の設立を提案
- 日米同盟の持続性向上と日米地位協定の改定検討を表明
- 専門家は長期ビジョンの必要性と具体的な機能の検討の重要性を指摘
- 日米関係とアジア版NATOの可能性:石破氏は日米関係の対等性を強調しているが、アメリカの立場とのバランスが重要。アジア版NATOの創設については、現在の有志国間のつながりの方がアジアの安全保障状況に適していると考えられる。
- 石破氏は日米関係の対等性を過度に強調している可能性がある。
- アジア版NATOよりも、テーマごとの有志国間のつながりの方が現状に適している。
- 日米間や他の有志国間の協力は、北朝鮮問題や海洋安全保障など、特定のテーマに基づいて形成されている。
- 日米地位協定と沖縄の基地負担軽減:芝新氏は日米地位協定の見直しを主張しているが、岸田政権の外交安全保障政策を継承する姿勢を示している。沖縄の基地負担軽減のために3つの重要な点が挙げられる。
- 芝新氏は沖縄の基地負担軽減のために日米地位協定の見直しを主張している。
- 沖縄に寄り添う姿勢が重要視されている。
- 基地負担軽減のために、現状把握、選択肢の検討、丁寧な交渉の3点が必要とされる。
- 石破氏の経済政策:石破氏は岸田政権の経済政策路線を引き継ぐと表明しているが、具体的な内容や評価については言及されていない。
- 石破氏は岸田政権の経済政策路線を継承すると表明している。
- 国民の間では経済政策への関心が高い。
- 石破茂氏の総裁選と経済政策:石破茂氏は総裁選で金融所得課税の強化を提案し批判を浴びたが、岸田政権の「成長と分配の好循環」や「貯蓄から投資へ」の方針を引き継ぐと明言した。格差是正のため、最低賃金引き上げの加速や超富裕層へのミニマムタックス強化などの方法を検討している。
- 石破氏は金融所得課税の強化を提案し批判を受けた
- 岸田政権の経済政策を基本的に継承すると表明
- 格差是正のための具体的な方策を検討中
- 与野党の関係と政策論争:石破氏と野田氏の主義主張が近く、理論も噛み合うため、建設的な政策論争が期待される。持続可能な社会の構築に向けて、対立すべき点は対立しつつも、可能な部分ではコンセンサスを形成することが望ましい。
- 石破氏と野田氏の政策的立場が近い
- 建設的な政策論争の可能性
- 社会保障や地方創生など、共通の課題に取り組む必要性
- 衆議院解散総選挙の見通し:石破氏は2024年10月9日に衆議院を開催し、27日に衆議院選挙の投開票を行う日程を軸に最終調整に入った。政権発足直後の支持率上昇を期待する声がある一方で、政治と金の問題で失った信頼の回復は容易ではないとの見方もある。
- 衆議院解散総選挙の日程が最大の焦点
- 2024年10月27日の投開票が軸
- 政権発足直後の支持率上昇への期待と信頼回復の難しさ
- 次期衆議院選挙の争点と政治改革:石破氏と野田氏の政策的立場が近いため、政治改革の進め方が主要な争点になると予想される。自民党の公認基準や政治資金規正法の問題などが焦点となる可能性が高い。
- 両党首の政策的立場が近い
- 政治改革の進め方が主要な争点に
- 自民党の公認基準や政治資金規正法の問題が焦点
- 政治不信の解消と国民の役割:政治不信は裏金問題以前から存在しており、政治資金制度改革だけでは解決しない。政治家には国民目線での政策形成が求められ、国民も政治の傍観者ではなく積極的に参加することが重要である。
- 政治不信は長期的な問題
- 政治家には国民目線での政策形成が必要
- 国民の積極的な政治参加の重要性
まとめ
- 政治と金の問題に早く区切りをつけ、暮らしに直結する課題に向き合うべき
- 党内の論理だけでなく、国民の理解を得られる改革が必要
- 石破新総裁は、国民目線の改革を進め、信頼回復を積極的に図る必要がある
- 党内の旧勢力と改革派の間で今後も綱引きが続く可能性がある
- 国民目線の改革を積極的に進め、信頼回復を図ることが石破新総裁にとって最も重要
- 野党は国会での論戦を通じて、自民党政治を変える力を示す必要がある
- 野党は政治改革を優先課題とし、給付金や政策活動費の問題で幅広い一致を目指すべき
- 防災省創設については、組織の話よりも必要な機能や現状の課題を洗い出すことが先決
- 日米関係におけるバランスの取り方が今後の対米関係の鍵となる。
- 沖縄の基地負担軽減の方向性を可能な限り追求していくことが必要。
全てをご覧になりたい方は、NHKオンデマンドをご視聴ください。
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