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NHKスペシャル『熱波襲来』~いのち・暮らしの危機~

8/24(土) 午後10:00-午後10:54

去年を超え「史上最も暑い夏」になるという予測もある今夏。救急の現場では熱中症の搬送が相次ぎ、中には「後遺症」になる人も。なぜこれほど暑いのか。影響が指摘されているのが、海面水温が極端に高くなる「海洋熱波」。海では沖縄の県魚が伊豆の沖合で目撃されるなど異変が。去年に続く暑さを受け、米など食料生産の現場も新たな対応を迫られている。経験のない“災害級”の暑さにどう対処するのか。各地の取材から考えていく。

目次

テーマ

日本の気候が急激に変化し、熱中症リスクが高まっている。海洋熱波や台風の強大化など、気候変動の影響が顕著に表れており、農業や教育、労働環境にも大きな影響を与えている。個人レベルでの対策と社会全体での適応策が急務となっている。

要点

  1. 日本の夏の気温が急上昇し、40度近い猛暑日が増加している
  2. 熱中症による救急搬送が増加し、屋内外問わず危険性が高まっている
  3. 日本近海で海洋熱波が発生し、水温が急激に上昇している
  4. 強い台風の接近により、西日本全域に甚大な被害が出る恐れがある
  5. 猛暑や水不足により、米や野菜の生産、酪農に大きな影響が出ている
  6. 学校では屋内プールの活用やAIカメラの導入など、熱中症対策が進められている
  7. 建設現場など屋外労働での熱中症対策として、様々な取り組みが行われている
  8. 個人に応じたアラートの発信や、社会的適応策の実施が必要とされている

ハイライト

  • "今まで何とか自分一人で生活をできていたような方が生活ができなくなってしまうとか、あるいは職業ですね。仕事によってはその仕事に戻れなくなってしまうという意味がすごく大きくて、そういうところでは今までは熱中症で治ってしまえばおしまいだと思っていたものが、実はそうではなくて、熱中症にかかった後にその方が今までと同じような社会生活を送れなくなっているというケースがですね、非常にわかるようになってきた。"
  • "日本の近海が南の方から熱帯化しているというのは、そういう傾向がはっきりしてきていると思います。"-- 中村久吉
  • "本当に皆さん十分な備えをなさってください。"
  • "今までは北海道、それで扇風機だけでまかなえたものが、今はもう無理かな、この先は無理じゃないかなと思っています。"
  • "子どものために最善の環境を準備していかなければいけないと思いますので、この昨今の気象条件も踏まえて、さまざまな子どもの活動に対してどういうフォローができるかというのは検討しなければいけない。"
  • "これまで我々が持っていた常識が通用しない時代に入ってきているということを強く認識して、それで自分たちの命を守る、そういう行動をとってほしいと思います。"-- 中村さん
  • "熱中症というのは予防できる災害、予防できる病気ですので、しっかりと個人個人、一人一人がですね、その処熱環境から受けるその健康のですね、影響をしっかりと思いながらですね、自己管理をしていただきたいなというふうに思います。"-- 横森さん

章とトピック

  1. 日本の異常な暑さと熱中症の危険性日本の夏の気温が急激に上昇し、40度近い猛暑日が珍しくなくなった。熱中症による救急搬送が増加し、屋内外問わず危険性が高まっている。熱中症は命に関わる深刻な症状を引き起こす可能性があり、早期発見と適切な処置が重要である。
    • 日本の夏の平均気温が過去120年で顕著に上昇し、特に過去20年で急激に上昇している
    • 熱中症による救急搬送が過去最多に迫り、屋内での発生が全体の4割を占める
    • 熱中症は内臓や脳に深刻な障害をもたらし、命を落とすケースもある
    • 深部体温の上昇が熱中症の悪化につながるため、適切な冷却が重要
    • 熱中症の後遺症として、中枢神経の障害や日常生活への長期的影響がある可能性がある
  2. 日本近海の海洋熱波と気候変動日本近海で海洋熱波が発生し、水温が急激に上昇している。これにより日本の気候が熱帯化し、異常な暑さや強力な台風の発生につながっている。海洋熱波は黒潮の異変とも関連しており、長期的な影響が懸念される。
    • 日本近海の水温上昇が世界的に見ても顕著である
    • 海洋熱波により、南方系の魚が日本の沿岸部で見られるようになった
    • 海洋熱波は火葬雲の減少を引き起こし、さらなる海水温の上昇を促進する
    • 黒潮の異変が海洋熱波の原因の一つとなっている
    • 海水温の上昇は台風の勢力維持にも影響を与えている
  3. 台風の接近と災害の危険性強い台風が接近しており、2018年の21号台風と似た経路をたどる可能性がある。水温が高いため、勢力がさらに強まる可能性があり、上陸直前まで発達を続ける可能性がある。西日本全域に甚大な被害が出る恐れがあるため、十分な備えが必要。
    • 強い台風が接近中で、2018年の21号台風と似た経路をたどる可能性がある
    • 水温が高いため、台風の勢力がさらに強まる可能性がある
    • 西日本全域に甚大な被害が出る恐れがある
  4. 異常気象が食糧生産に与える影響猛暑や水不足により、米や野菜の生産に大きな影響が出ている。新潟県のコシヒカリ生産では、品質低下や収量減少が発生。北海道の酪農でも、暑さによる牛の妊娠率低下や熱中症の問題が起きている。これらの問題に対し、品種改良や新技術の導入など様々な対策が取られている。
    • 新潟県のコシヒカリ生産で品質低下や収量減少が発生
    • 北海道の酪農で牛の妊娠率低下や熱中症の問題が発生
    • 暑さに強い品種への転換や最先端技術の導入などの対策が行われている
  5. 教育現場での熱中症対策東京葛飾区では、学校のカリキュラムを見直し、屋外プールの使用を中止し、屋内プールの活用を進めている。また、熱中症の危険度を測るAIカメラの導入や、水泳授業のスケジュール変更など、様々な対策を講じている。
    • 屋外プールの使用中止と屋内プールの活用
    • 熱中症の危険度を測るAIカメラの導入
    • 水泳授業のスケジュール変更(5月から12月まで)
  6. 労働現場での熱中症対策建設現場など屋外で働く人々の熱中症対策として、暑さ指数の計測機器の導入、アラームシステムの設置、休憩時間の調整、かき氷の配布、看護師の常駐など、様々な対策が取られている。
    • 暑さ指数の計測機器の導入とアラームシステムの設置
    • 危険度に応じた作業や休憩時間の調整
    • かき氷の配布や看護師の常駐などの対策
  7. 今後の熱中症対策の方向性個人に応じたアラートの発信や、地球温暖化対策と並行した社会的適応策の実施が必要。正確な情報の共有と個人の自己管理が重要であり、社会全体で正しい情報を発信する仕組みづくりが求められる。
    • 個人に応じた細やかなアラートの必要性
    • 地球温暖化対策と社会的適応策の並行実施
    • 正確な情報の共有と個人の自己管理の重要性

まとめ

  • 熱中症の症状が現れた場合、遠慮せずに早めに救急車を呼ぶべきである
  • 熱中症対策として、深部体温を下げることが重要で、首や足の付け根など血流の多い場所を冷やすことが効果的
  • 日本の気候の熱帯化に伴い、デング熱やマラリアなどの熱帯性疾患への警戒が必要になる可能性がある
  • 十分な備えをすること
  • 高温に対する品種改良と従来の寒さへの備えの両立が必要
  • 子どもの活動に対して、気象条件を踏まえた適切なフォローが必要
  • 経済活動とのバランスを取りつつ、暑さが人体に及ぼす影響を自覚しながら対策を講じる必要がある
  • 社会全体で正しい情報を発信する仕組みづくりが必要

全てをご覧になりたい方は、NHKオンデマンドをご視聴ください。

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